旅人には親切に、ある人は知らずに天使をもてなした。

聖書からの一節です。ホントはもっとちゃんとした文章なのですが。もしも興味がある方は新約聖書ヘブライ人への手紙」をご覧になってみてください。13章2節です。「ヘブライ人への手紙」はなかなか文学的ですよ。

と、なんだか聖書を読んだことあるみたいな感じですが............。

実は読んでました。僕が通っていた大学では「キリスト教概論」という授業が必須科目だったのです。

しかし、この一節を見つけたのは授業ではなく映画の中です。ロバート・デ・ニーロショーン・ペンが共演した俺たちは天使じゃないの中でした。ご存知の方も多いと思います。その後、ちゃんと聖書も読み返しました(嘘)。

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この映画、いつ頃観たのか思い出せないのですが、それ以来この一節をたま〜に思い出し「人には親切にしなきゃいかんなぁ」と漠然と思ったりもしました。ところが、僕は特別親切でも優しくもなかったし、というよりひどい人間だったかも知れません。今でこそ聖人君子を地で行くナイスガイですが若い頃はそりゃもう(以下自粛)...............。己の黒歴史をここでカミングアウトすることはやめときます。

余談はこのくらいにして。

この一節を僕に思い出させてくれたのは「結婚」がきっかけでした。結婚していた約八年の間、今とは別の姓になっていた時のあの経験が、僕を聖人君子を地で行くナイスガイに変えたのです。どんな経験だったかは別に機会を設けますが(詳しく思い出すと具合悪くなって吐いてしまう)、ここは地獄か?と思うほどでした。そしてなんとか離婚を成立させ(あいつら散々酷い目に遭わせたくせに離婚は許そうとしないんだよね......)、身体ひとつで逃げ帰ってきたわけです。

人は絶対にあんな目に遭っちゃダメです。断言します。人は絶対にあんな目に遭っちゃダメです。そこでこの一節です「旅人には親切に、ある人は知らずに天使をもてなした」です。「親切に」なんて素敵な言葉でしょう。この際「旅人」も「天使」も忘れちゃいましょう。別に旅人限定じゃなくたっていいんです。というよりみんな旅人です(どっちだよ)。人生を旅してるんです。みんな人生をより良くしようとする旅をしているのです。そしてその旅人はみんな天使です。ひとりひとりがどこかの誰かにとってのかけがえのない天使なのです(もうめちゃくちゃ)。

 

誰かが困っていたら、助けを求めていたら、手を差し伸べましょう。誰かが迷っていたら、背中を押してあげましょう。誰かが不安に駆られていたら、声をかけてあげましょう。ただ静かにそばにいるだけでもいい。

きっと伝わるはずです、僕はそう信じています。

 

現在、日本は弱者にとても厳しく、とても意地悪な社会です。おまけに政府は首相をはじめ嘘つきのポンコツだらけです。この状況を変えるには相当な時間、相当なエネルギーが必要です。

それでは、政治に期待を持てない今(ちなみに僕はアナキストです)、僕たちはどうすればいいのか? 僕たちに何ができるのか?

僕が思うヒントはこちら。

 

“人生に意味を与える道は、人を愛すること、

自分の周囲の社会のために尽くすこと、

自分に目的と意味を与えてくれるものを創りだすこと”

 これは、アメリカジャーナリストミッチ・アルボムによって書かれたノンフィクション「モリー先生との火曜日」に出てくる言葉で、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されたモリー・シュワルツ教授が、死を前にして、かつての教え子であるミッチに贈った言葉です。

モリー先生との火曜日 - Wikipedia

 

この際「愛」なんて忘れちゃってください(またか?)。まずは「愛」<「親切」です。そして実践しましょう。「LOBE&PEACE!」ばかり叫んでるパ〜プリンに騙されないでください。「愛」は人を傷つけることもあります。カート・ヴォネガット・ジュニアも作品の中で “ Love may fall, but courtsy will prevail ”  「愛は負けても親切は勝つ」と言っています。世界を救おう!なんて大げさじゃなくていいんです。小さくていいんです。パートナー、家族、職場etc。自分の周りの小さなコミュニティでいいんです。みなさんのちょっとした「親切」を発揮してみてください。誰かを「幸せ」にすることは難しいかもしれないけど、ほんのちょっとだけでも「幸せな気持ち」にすることは出来るかもしれない。

分け合えば辛い気持ちは半分に、分け合えば嬉し楽しい気持ちは倍になります。
そしてそれを、昨日より今日、今日より明日、ってな具合に少しずつ積み重ねていきましょう。もちろん、自分にも優しくしてあげましょうね。

 

「旅人には親切に、ある人は知らずに天使をもてなした」

知っていようがいまいが、みんなが天使なのです。みんなが旅人なのです。背中を押された人も、押した人も...................

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