平成最後の夏の思い出

なんてタイトルだと、甘酸っぱいとかほろ苦い、 なにかスイ〜トでロマンチックな出来事でもあったのかと、思わせぶり感は否めませんが。

ところがどっこい、ドッタッバッタの2泊3日の強行路。なんせ「行こう!」と決意したのが出発前夜。車を持っていない僕の頼みの綱(金のコトね)の夜行バスは満席、仕方ねぇ、奮発して新幹線(自由席)にすっかぁ、とJRのサイトを覗いてみると、なんと指定席が空いてる。値段も自由席+500円程度。迷わずポチッ。

あとは若干の着替えをカバンに詰め込んでベッドへ。遠足前日のあの高揚感を味わいつつ眠りにつこうとすると不意に「お前、帰りはどうすんだ?」と天の声が......... 慌てて飛び起き、まずは夜行バスのサイトをチェック。帰りも新幹線じゃ次の給料日を待たずに餓死か?と怯えつつも奇跡的に格安チケット入手。ふたたびベッドにもぐり込み、彼の地で待っているはずのロマンスに思いを馳せ、眠りに就いたのでありました。

 

そして迎えた翌朝、普段の起床時間から考えると真夜中に近い時間に起床、眠い目をこすりながら東京駅へ。そして東京駅で僕を待ち構えていたつらい現実。「喫煙所がない.....」やはり都内は全滅か、となかば諦めながら構内マップを血眼でチェック。あった!一箇所だけだが確かに存在している。砂漠の果てのオアシスよろしく、マップのその部分だけがまばゆい光を放ち僕を呼んでいる。だが「遠い!」いや、まだ時間はある、A型ゆえの慎重さを発揮し発車時刻のかなり前に到着してしまっているのだ。ゆっくり落ち着いて行けば迷うこともなかろう。早朝の駅構内をキョロキョロしつつ歩く様は、今から旅に出るというより、東京に着いたばかりの異国の旅人に見えたかもしれない。そしてたどり着いたオアシスはなんと「改札の外..........」なにコレ、勝手に出ていいの?と思いつつ、仕方がないので勝手に出ました。そして振り返ることなく喫煙所に突入、発車前の至福のひとときを味わうことができました。

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そして新幹線に乗り込みおよそ2時間、やってきたのは「新潟」なのですが、ここで終わりではなく、今度はフェリーに乗らなければ今回の旅の目的地にたどり着けないのです。新潟からフェリー、といえばもうお気づきでしょうが行き先は佐渡島です。「虫崎」という集落です。幸い新潟駅にもフェリーの待合所にも喫煙所があったので出航時間まで余裕で過ごさせていただきました。フェリー乗船後も船内に喫煙所があったので、幻覚に襲われることなく佐渡島までの船旅を楽しみました。

 

いざ、上陸。「来ちゃった、佐渡島❤️」

晴天に恵まれた青い海、青い空を体いっぱいで感じる、その前にまずバスだ。バスを逃してタクシーなんて無理だ。僕には金がない。貧乏人の執念か、幸運の女神の微笑みかはわかりませんが、なんとバス停は目の前にあり程なくバスもやってくるという、日頃の行いに感謝ですね。

そして海岸線をゆくバスに揺られついに到着しました「虫崎」

虫崎は住人が20名に満たない「限界集落」そして過半数が65歳以上の高齢者。なぜ僕がこのロマンスなど期待できそうにない地を訪れたかというと。大雑把に言うと友人に会うため。もう少し説明を足すと友人のびっくりした顔を見たい。そのためにはるばる埼玉からこっそりひっそり虫崎にやって来たのです。結果から言ってしまうとそのサプライズは大成功だったのですが、なにせ初めて訪れる地で知り合いはその友人だけだし、他の人たちに相手にされなかったらどうしよう、とか考えてなかった自分に後々戦慄したのを覚えています。

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ともあれ、海沿いから山側に坂道を上り、さらに階段を上がったところに盆踊り会場が。そこで友人がこの日のために演出した踊りを披露することになっていました。僕が到着した時はリハーサルがおこなわれていて、階段を上りきると友人の姿が。友人と目が合い、僕だと気づいた友人は「キョトン...........」(え?なんでコイツここにいんの?) ってな感じで唖然としてました。僕自身は、僕に気づいた瞬間、喜びのあまり僕に駆け寄り抱き合う、なんて場面を予想していたのは言うまでもありませんが、熱い抱擁はかないませんでした。しかし、あの顔は決して忘れることができません。
その後、友人を通して集まった方々に紹介していただき、寝る場所や食事を提供してもらい、「野宿かオレ?」という窮状は避けられました。みなさんに感謝!

そして迎えた翌日、その晩おこなわれる盆踊りの会場設営のお手伝い。この盆踊り、ただの盆踊りではありません。元々、虫崎は20名に満たない限界集落と先に書きましたが、有志の方たちが集まり虫崎に100人集めて盆踊りをしよう!というイベントだったのです。

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昨年の盆踊りの様子を友人が記事にして、それを僕がSNSでシェアしたコトがきっかけになり、なんだかいろんな繋がりが築かれ、先に登場した友人の武闘家、もとい、舞踏家さんが踊りを披露するコトになり、「ヤベ、コレって俺にも責任の一旦が?」なんて感じてしまい、急遽、佐渡行きを決めたのでした。

tabi-labo.com

地元の皆さん、さまざまなところから集まった有志の皆さんが協力して、昨年、今年と大成功でした。僕は盆踊り当日(花火の点火役は罰ゲームですか?)と翌日の後片付けしかお手伝いできませんでしたが、突然の訪問にもかかわらず、温かく迎えていただき本当にありがとうございました。美味しいご飯、楽しいおしゃべり、みんなの笑顔、またいつの日か会いたいですね。

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そして最終日。会場の後片付けを済ませ、港までのバスを待つ間。当然のコトながらモーレツな「帰りたくないシンドロームに襲われていたのは誰にも言ってません。